ナンボー

最近の研究 その2Our recent activities No.2

有機金属分解法を用いて作製したLa1-xSrxMnO3薄膜の電気および磁気伝導特性

サンプルメージ

 La1-xSrxMnO3(LSMO)薄膜を有機金属分解(MOD)法によって作製し、その電気および磁気伝導特性について研究しています。
 LSMOは、Srの割合によってその特性(金属-絶縁体、反強磁性-強磁性)を制御することが可能です。そして、Srを30%入れると室温以下で強磁性金属になることがわかっています。 この状態において巨大磁気抵抗効果という、磁場を加えると抵抗率が大きく変化する効果が得られることから、磁気ヘッドなどの磁気デバイスへの応用が期待されています。
 次に、MOD法は従来の薄膜作製法と比較して低コスト、短時間、容易性などの理由により産業上注目されています。 しかし、MOD法により作製されたLSMO薄膜の物性に関する研究報告は少なく、製造条件の最適化と伝導メカニズムの解明が必要となっています。 MOD法による作製方法は図の通りです。作製した試料表面の状態は図右上のように50〜100nm程度の大きさの粒が集まった、粒状構造であることがわかりました。 さらに、Srを0~30%まで増加すると抵抗率は減少し、40%を超えると急激に抵抗率は上がります。磁性はSrが0%のとき室温付近で常磁性であるのに対し、Srを30%入れることによって室温で強磁性へと変化することが確認できました。
 私の研究では試料作りから測定、解析まで自分の手で行うことができ、実験設備は大学内のものを用います。そのため思いついたことをすぐに実践できるところが魅力です。

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