ナンボー

研究室おすすめポイント その2Recommendation points of our lab. #2

世界3大放射光施設SPring-8で実験できる!

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 当研究室では,物質の電子構造を調べるために実験室の光電子分光装置だけでなく, 大型放射光施設SPring-8でも実験を行なっています.
 写真は,数100eVという光のエネルギーを持っている軟X線を使って固体中の電子を励起する「軟X線光電子分光」実験と, よりエネルギーの高い約8000eVの硬X線を利用する「硬X線光電子分光」実験を行なっている様子です. 硬X線は空気中を長く進むとともに薄い金属も透過してしまうため,「実験ハッチ」と呼ばれる鉛でできた部屋の中に導入されます. このため,実験中に装置を直接見たり操作したりすることはできずコンピュータによって外部から実験装置を制御しています. 一方,軟X線は薄い金属板やガラスも透過することができず,また窒素や酸素に吸収されて空気中ではあっという間に減衰してしまうため 実験ハッチは必要なく,実験装置を直接見ることができます.

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 軟X線と硬X線では飛び出してくる光電子の運動エネルギーが大きく異なっており, それに伴って,物質の表面付近から飛び出してきやすいか,表面より奥の内部から飛び出してきやすいかの違いが生じます. 表面と内部では電子構造が違っていることが多く,どちらを調べたいか,によって使い分けます. また,光電子を放出しやすいかどうかは元素や電子軌道ごとに異なり,さらに,照射するX線のエネルギーによっても変化します.

 この他にも,物質にX線を照射したときにどれくらい吸収されるのかを調べる「X線吸収分光」や光電子の代わりに放出されるX線を観測する「発光分光」実験も 行うことができます.

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