甲南大学 物理学科 半導体研究室

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太陽光の有効利用

太陽光はいろいろなエネルギー(波長)の光があるが、エネルギーの低い光子は電子を励起できない。したがって太陽光発電には使えない。エネルギーの低い光子でも電子を励起できるようになれば発電効率は向上する。


半導体のバンドギャップ中に右図のように中間バンドを形成することができれば、二段階励起によってエネルギーの低い光子でも電子を励起できるようになる。


半導体中に深い順位をもつ不純物を高濃度にドーピングできれば中間バンドの形成が可能である。しかし、結晶性を良好にするために熱処理を行うと図の左向き矢印のように不純物は表面に析出してしまう。右向き矢印のようにパルスレーザーを用いて結晶性を良好にすれば、高濃度にドーピングでき、不純物感の波動関数の重なりによって中間バンドの形成が期待できる。


パルスレーザーを用いると半導体表面は急速に溶融・固化するために高濃度の不純物をドーピングが可能である。この方法はパルスレーザーメルティング法と呼ばれる。当研究室ではこの方法で新材料を作成し太陽電池の効率向上に取り組んでいる。


その他の方法として金属ナノ粒子の局在表面プラズモン吸収を用いれば半導体のバンドギャップ以下の光で電子をレイキすることが可能である。当研究室ではダブルパルスレーザーアブレーション法を用いて金属ナノ粒子と半導体ナノ粒子の結合体を形成し太陽電池や光触媒の効率向上に取り組んでいる。


作成されたナノ粒子複合体の一例