ナンボー

最近の研究 その3Our recent activities No.3

高エントロピー酸化物の不思議な磁気秩序について

サンプルメージ

 高エントロピー材料とは、5種類以上の元素がほぼ同じ割合で混ざり合い、周期的に原子が並ぶ結晶のある特定の位置をランダムに占めることを特徴とする材料です。このように多くの元素が混ざることで、「エントロピー」と呼ばれる不規則さを表す量が大きくなり、その結果として安定した一つの結晶構造をもつ材料になります。
 高エントロピー材料は硬度や粘り強さなど、通常では両立が困難な性質をあわせもつことができるため、これまでにも注目されてきました。最近では、結晶構造だけでなく磁石としての性質(磁気秩序)も安定することが分かってきています。元素の種類や割合を変化させることで電子的・磁気的特性を自由に調整できることから、HAMR(熱アシスト磁気記録)などの次世代磁気デバイスへの応用も期待されています。
 本研究で扱っているMg0.2Co0.2Ni0.2Cu0.2Zn0.2Oは、磁性の強さが異なる元素や磁性をもたない元素が結晶中にランダムに配置されているにもかかわらず、全体として反強磁性秩序と呼ばれる特異な性質を示します。
 この不思議な磁気秩序がどのように生まれるのかを明らかにするために、SPring-8などの実験施設で放射光という特殊な光を利用した実験を行い、この物質の電子状態や磁気構造を詳しく調べています。

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