Queen Mary IIの模型を作る その6
- 客室を発泡スチロールで作るので、発泡スチロールカッターを
作ります。300W(AC100V)のニクロム線を買ってきました。抵抗
は全体で30Ω。
コイル状になっているので解きます。このときただ線を引っ張たのでは
捻れが残ってしまうので、コイルの中にボールペンの軸などを入れて
真っ直ぐにのばします。
- このニクロム線は約10cmで1.3Ωです。V=IR、W=IVを使うと、
W=V^2/R。抵抗の長さをL、単位長さ当りの抵抗をρとすると、R=Lρ。
単位長さあたりの発熱量はw=W/L=V^2/L^2/ρで、温度のコントロールは
長さか電圧で行うことができ、それぞれ自乗に反比例、自乗に比例します。
乾電池の内部低抵抗は0.2Ω程度だそうで、1.3Ωに比べると、真面目に
計算するときは無視は出来ません。
- 試作品。洗濯屋さんのハンガーなどの被覆のある太い針金を適当に
まげてカッターらしくします。2本の針金の両端の被覆をはぎ、
一方を乾電池に、他方をニクロム線につなぎます。曲げてカッターの
形を作るとき針金を捻りすぎて被覆を剥いでショートさせてしまわな
いように注意します。
- 糸のこのフレームにニクロム線を張ってカッターを作りました。
単一乾電池のケースを探していたら、壊中電灯のほうが安いし
(300円ほど、しかも電池付)、スイッチも付いているので、
壊中電灯を改造して使う事にしました。防水性は損われましたが、
電球を入れれば壊中電灯としても使えるように最小限の加工にとどめて
おきました。
- 中学生のころ「ゲーデル、エッシャー、バッハあるいは不思議の環」
という本(アマゾンで検索すれば出てきます)の表紙の絵のようなものが作りたくて、
ボール紙で展開図を起して苦労して作った記憶が甦ってきました(中身は読んで
ませんが)。これを
使って発砲スチロールを切れば5分でできます。
- ここでまた注意を
- 乾電池なので電圧は低いので感電の危険はありませんが、
電流は数A程度と大きな電流が流れます。配線には太い導線を使いましょう。
(数Aというと、100Vなら数百Wです。)
- 今回使用したニクロム線はやや太すぎるとおもいます。できれば
もう少し細い線を探しましょう。
- 通電中にニクロム線にふれると火傷します。熱容量が大きくないので
ひどい火傷はしないと思いますが、線が細いので深くまで火傷する可能性が
あります。軍手などをして火傷しないように注意しましょう。
- 電池の内部抵抗が無視できないということは、電池の発熱量も多い
ということを意味します。電池が加熱しない様長時間連続で通電しないように
に注意しましょう。