ＸＹプロッター

その昔ＸＹプロッターという、ＸとＹの方向に独立に動く アームにペンがついた装置があったという（今でもある）。 この装置には２つの端子（ＸとＹ）がありこの端子に信号線を つなぐとそのの電圧に比例した位置までペンが動くようにできている。 この機械に文字を描かせようというのが今回の課題。

• ArduinoにはanalogWriteという機能がありこれは端子に0％から100％ まで8bit(0-256)の分解能で出力を調整できる。
• しかしながら、これはいわゆるDACではなく出力をパルス状に時間的に 切り刻んで出力を調整するパルス幅変調（ＰＷＭ）という方法をもちいている。 たとえば低い出力と高い 出力といった具合（図中のch2下）。そしてこのパルスの間隔は1kHzである。
• このままではアナログ信号としては使えないので、ＣＲ回路（10kΩと2.2μＦ、 τ=22ms の積分回路、LowPass回路）で平滑化する。 それが上記のの写真のch1（上）。個の程度の時定数のＣＲ回路で 多少ＰＷＭの影響による揺らぎはあるがおおむね平滑化できている。
• さて、これで「アナログ信号ができました」では面白くもなんともないので、 ２つの出力をオシロスコープで測定すると、文字が出てくるというのを作って みよう。
• オシロスコープには大概ＸＹモード （通常はＶＴモード。上の写真はそれ）というのがおまけのようについている。 このモードはなかなか実用上は使わないのだが、 この機能をもちいて文字とか 別の文字を描いてみた。
• 72個の点で一文字を表し、 2byteのintの上位1バイトをY座標、下位１バイトをX座標とした。 たとえば、数字の６はこんな感じで初期化して、

   /* Init 6 */
    for (i=0;i<36;i++){
      x=128.-i*28/36;
      y=200.-i*150/36;
      C6[i]=(0xff & int(x));          //前半は上の部分を直線で
      C6[i]|=(0xff & int(y))<<8;
      theta=i*3.1415/18.;
      x=128.+30.*cos(theta-3.1415);
      y=50.+50.*sin(theta-3.1415);
      C6[i+36]=(0xff & int(x));      //後半は下の部分を円で
      C6[i+36]|=(0xff & int(y))<<8;
    }
  

• 実際文字を描く関数では、

  void Pri(int x, unsigned int X[]){
    int i;
    
    analogWrite(Xout,(0xff & X[0])+x);
    analogWrite(Yout,(0xff00 & X[0])>>8);    //最初の点に移動
    delay(1000);                             //１秒待つ
    for(i=0;i<72;i++){                       //72点を順番に移動
      analogWrite(Xout,(0xff & X[i])+x);     //下位8bitはx座標
      analogWrite(Yout,(0xff00 & X[i])>>8);  //上位8bitはy座標
      delay(15);                             //15ms待つ
    }
    analogWrite(Xout,(0xff & X[71])+x);      //最後の点で
    analogWrite(Yout,(0xff00 & X[71])>>8);   //１秒待つ
    delay(1000);
  }
  

  とした。一点一点の描画で15msほど待ち、両端で1000msまつ。
• SRAMが2kbyteしかないので72*2byte*10文字でほぼメモリーを使い果たしてしまいます。
• さらにＸＹプロッターでも文字を描かせた。